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人生の「三大資金」に備える!生活設計(ライフプランニング)から始める正しい家計管理の4ステップ

目次

なぜ家計管理の前に「生活設計」が必要なのか?

毎日一所懸命に家計簿をつけて、無駄遣いを減らそうと頑張っているのに、なぜかお金が貯まらない…。とお悩みの方も多いのではないでしょうか。一生懸命に取り組んでいるのに結果がついてこないと、節約すること自体が苦しくなってしまいます。お金の管理は本当にエネルギーがいりますし、ゴールの見えない努力ほどつらいものはありません…。

多くの方が、家計を管理しようとするとき、まず「支出を減らすこと」から始めようとします。しかし、何のために貯金をするのかという明確な目的地がないままでは、モチベーションを維持することは非常に難しいのです。

お金を管理する前に、まず行うべきなのが生活設計(将来のライフプランや目標のこと)です。家計管理とは、単にお金を節約する技術ではなく、自分が望む人生を実現するための手段にすぎません。

金融庁が公表している「最低限身に付けるべきマネーリテラシー」に関する資料においても、家計管理の土台として、生涯の生活設計(ライフプラン)を描くことの重要性が指摘されています。人生でいつ、どのようにお金が必要になるのかをあらかじめ想定していなければ、日々の節約もただの我慢になってしまいます。

簡単に言えば、生活設計とは「人生の羅針盤を作る作業」なのです。

この羅針盤があるからこそ、日々の支出の中で「どこを削り、どこにお金を使うべきか」という正しい判断ができるようになります。無計画な節約は、ただ生活の質を低下させ、ふとした瞬間に途中で息切れしてしまう原因になりかねません。

まずは日々の数字に追われるのをやめて、自分がこれからどんな人生を歩んでいきたいのか、ゆっくりと考えてみることから始めてみる。これこそが、家計管理を成功に導くための最初のステップです。
今回はその手法についてご紹介します。

人生の三大資金を書き出すライフプランシートの作り方

将来に必要なお金のことを考えると、なんとなく不安で胸がザワザワしてしまうという方も多いのではないでしょうか。特に、人生の三大資金(人生において大きな割合を占める教育資金、住宅資金、老後資金のこと)という言葉を耳にすると、いったいどれほどの金額を準備しなければならないのか、気が遠くなってしまいます。未知の金額に対する不安は、私たちの行動を鈍らせる最大の原因になります。

この不安を解消するために有効なのが、ライフプランシート(生涯のイベントと必要なお金の推移をまとめた年表のこと)を作成することです。まずは、それぞれの資金が具体的にどれくらい必要なのか、公的なデータをもとに現実的な数値を見てみましょう。

人生の三大資金にかかる具体的な平均額は以下の通りです。

資金の種類具体的な平均額・目安データの出典
教育資金(すべて国公立の場合の1人あたり学費)約1,000万円文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」および日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査」より算出
住宅資金(新築戸建て・全国平均購入資金)約3,717万円住宅金融支援機構「2022年度フラット35利用者調査」
老後資金(高齢夫婦無職世帯の1ヶ月の実支出平均)約26万8,508円総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年平均結果」

このような数値を目の当たりにすると、金額の大きさに驚いてしまうかもしれません。
だからこそ、これらをいつまでに、どのように準備していくかを可視化するライフプランシートが必要になります。

作り方はとてもシンプルです。紙や表計算ソフトを用意し、縦軸に家族の名前を、横軸にこれからの西暦とそれぞれの年齢を書き入れていきます。そして、子供の入学やマイホームの購入、退職といった未来のイベントを年表のように書き出していくのです。

簡単に言えば、ライフプランシートとは「未来のお金のスケジュール帳」なのです。

いつまでにいくら必要なのかが視覚的に把握できれば、今から毎月いくら貯蓄に回せばよいのかが逆算できるようになります。漠然とした「足りないかもしれない」という恐怖から解放され、前向きな対策を立てることができるようになるはずです。
こちらから日本FP協会で作成しているライフプランニングシートがダウンロード可能です。
参考にしてみてください。日本FP協会_便利ツールで家計をチェック

「固定費・変動費・貯蓄」の黄金比率で家計をスマート化

毎月の収入の中から、余った分を貯金に回そうと思っているのに、気がつくと口座に残高がほとんど残っていないという経験がある方も多いのではないでしょうか。今月こそは頑張ろうと決意しても、気がつけばいつも通りの出費に追われ、自己嫌悪に陥ってしまう。本当にやりきれない気持ちになります。意志の力だけでお金を貯めようとするのには限界があります。

家計をスマートに、そしてストレスなく管理するためには、家計簿を1円単位で細かくつける必要はありません。大切なのは、支出を3つのカテゴリーに分類し、適切な比率に収める仕組みを作ることです。

一般的に、家計が破綻しにくく、着実に資産形成(将来のために資産を増やしていくこと)を進められるとされる黄金比率は以下の通りです。

支出の分類理想的な割合(手取り月収基準)具体的な支出内容
固定費(毎月決まって発生する基本料金などの費用)約45%住居費(家賃や住宅ローン)、保険料、水道光熱費、通信費など
変動費(生活状況によって毎月増減する費用)約35%食費、日用品費、交際費、趣味や娯楽にかかる費用など
貯蓄(将来の安心や目標のために確保するお金)約20%先取り貯蓄、つみたてNISAなどの投資信託積立など

この比率の中で、最も優先して取り組むべきなのが固定費の見直しです。
住居費や通信費といった毎月の支払いを一度下げることができれば、その後は特に努力をしなくても、自動的に支出を削減する効果が持続するのです。

そして、お金を貯めるための絶対的な鉄則が、先取り貯蓄(給料が入った時点で、あらかじめ決めた金額を自動的に別の貯蓄口座へ移す方法)です。

余ったお金を貯めるのではなく、最初から「なかったもの」として生活をやりくりする。簡単に言えば、人間の弱い意志を仕組みでカバーする作業なのです。

この黄金比率を意識して仕組みさえ作ってしまえば、毎月のように「今月は使いすぎていないだろうか」とビクビクしながら暮らす生活から卒業できると思います。

ライフステージの変化に合わせた見直しと継続のコツ

せっかく完璧なライフプランシートを作り、家計の黄金比率を設定しても、本当にこの計画の通りに人生が進んでいくのだろうかと不安に思う方も多いのではないでしょうか。人生には予期せぬ出来事がつきものです。突然の転職、病気やケガ、あるいは新しい家族の誕生など、思い通りにいかないことばかりで、途中で計画が崩れてしまうと、すべてを投げ出したくなってしまいます。完璧を求めすぎるあまり、挫折してしまうというのは本当にもったいないことです。

私たちの暮らしを取り巻く環境は、常に変化しています。例えば、厚生労働省の「将来推計人口」などの統計データを見ても、社会保障制度や世帯の平均寿命、ライフスタイルそのものが時代とともに大きく変化し続けていることは明らかです。

つまり、最初に立てた計画をそのまま一生守り続けようとすること自体が、そもそも不可能に近いのです。

大切なのは、ライフステージ(就職、結婚、子育て、退職など、人生の歩みに伴う段階の変化のこと)の変化に合わせて、ライフプランをその都度柔軟に見直していく姿勢です。

簡単に言えば、生活設計とは「定期的に描き直す必要のあるキャンバス」なのです。

計画が崩れたからといって、自分の家計管理が失敗したわけではありません。子供の成長やキャリアの変化に応じて、年に一度、例えば誕生日や年末年始などの節目にライフプランシートを開き、数値を書き換える。
この「メンテナンスの習慣」こそが、家計管理を長く、そして楽しく続けるための最大の秘訣です。

一度きりの計画に縛られるのではなく、人生の変化という風を上手に受け流しながら、自分自身の地図を何度でも書き直していく。これこそが、変化の激しい現代を生き抜くための、本当に賢い家計管理の姿だと考えています。

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